寒い季節にホットする 電気暖房器具の種類と歴史]で紹介したように、シーズヒーターは、ニクロム線(発熱体)を絶縁体(例えばマグネシア)で包み、金属管で覆ったヒーターです。電気抵抗の大きなニクロム線に電気を流すと、ニクロム線が発熱し、金属管に熱が伝わって金属管の表面が熱くなるという仕組みです。
[[グラファイトヒーター アラジンが人気 山善もあるよ おすすめ機種を比較]で紹介したグラファイトヒーターほど速くはありませんが、スイッチを入れてすぐに体を暖めることができるタイプの暖房器具ですね。グラファイトヒーターはスイッチを入れて数秒、カーボンヒーターは数十秒で暖かくなるのに対して、シーズヒーターは数分で暖かくなる、という程度の差です。
「暖かくなるまで数分もかかるの?」と感じる人には、数十秒で暖かくなるカーボンヒーターとシーズヒーターの機能を併せ持ったタイプのヒーターもありますので、検討されるといいと思います。
なぜなら、シーズヒーターの良い所として、体に感じ、体に残る暖かさが、カーボンヒーターやグラファイトヒーターよりも優れているからです。
体を直接暖めるということでは、シーズもカーボンもグラファイトも同じですが、遠赤外線放射量が多いため、より暖かく感じられるのです。
金属以外のほとんどの物質は遠赤外線をよく吸収し、遠赤外線をよく吸収する物質は遠赤外線をよく放射する物質でもあります。遠赤外線ヒーターには通常、耐熱性のあるセラミックスが使用されており、セラミックスの表面温度を高くすることによって遠赤外線が放射されます。
カーボンヒーターでは、炭素繊維を発熱体としてが使用されています。グラファイトヒーターでは黒鉛が発熱体として使用されています。一方で、シーズヒーターでは発熱体のニクロム線をマグネシアのような絶縁体で包んで金属管で覆っています。ですので、炭素繊維、黒鉛、シーズヒーターで使用する絶縁体の違いが、遠赤外線の放射量の違いの要因の一つとなるでしょう。
ともあれ、シーズヒーターの体に感じる暖かさはカーボンヒーターやグラファイトヒーターよりも上だということです。
また、シーズヒーターはその構造からもわかるように、発熱体が金属管で覆われていますので、ほかの暖房器具に比べて壊れにくく、安全性が高いという利点も持っています。できるだけ長く使用したいという方におすすめできるヒーターです。
一方、部屋全体が暖まるものではないので、リビングなど広い所での使用は向いておらず、比較的狭いキッチンや、脱衣所など、また、スポット暖房として、デスクやソファーの近くで足元を暖めたり、帰宅時に早く暖まりたいときなどの使用に有効でしょう。
なお、身体の近くに置いて暖まる場合、身体の同じ場所を長時間温め続けると低温やけどになってしまう危険性もありますので注意が必要です。暖かく気持ちよくなって眠気を催す前にやけどにならないような行動をとるようにしましょう。
[シーズヒーターを選ぶときのチェックポイント]
シーズヒーターは、どのような点に注意して選んだらよいのでしょうか。以下にチェックすべきポイントを列挙しておきます。
□サイズ・重量:スポット暖房に向いているシーズヒーターですが、一人で使うタイプや複数人で使えるタイプなど種類があります。また、狭い場所で使う場合はスリムなタイプ、複数人で暖まりたい場合には幅広や大きいサイズを選ぶといいでしょう。
□消費電力:電気代は〔消費電力(W)÷1000×使用時間(h)×1kwhあたりの電気代(円/kwh)〕で計算できますので、気になる方はチェックしておくといいでしょう。
□安全性:比較的安全なシーズヒーターですが、火災などの事故を未然に防ぐためにも安全性につながる機能をチェックしておきましょう。
シーズヒーターはスリムなタイプもあり、ぶつかって倒れてしまうということも考えられます。転倒してしまった場合に電源が切れるようになっている機能があると安全です。また、何等かの原因で倒れたままのヒーターのスイッチがON状態になってしまった場合でも、電源が入らないようになっていると、さらに安心安全です
。
また、過熱を防止する機能がついていると、うっかりつけっぱなしでその場を長時間離れてしまったり、眠ってしまったりした場合でも安心です。
□速暖性:シーズヒーターはカーボンヒーターやグラファイトヒーターに比べて速暖性に劣るというデメリットがあります。このデメリットを克服する工夫がされているかどうかチェックしましょう。
スイッチを入れて、急速に温度上昇させるようにマイコン制御しているタイプや、カーボンヒーターを併せ持って、速暖性と持続する暖かさの両方のメリットを生かすハイブリッドタイプがあります。
□付加機能:シーズヒーターを長時間使用すると電気代が気になりますが、無駄な使用をしないようにコントロールしてくれる機能があると安心です。
○タイマー機能:オフタイマーがあれば、無駄な電力消費を抑制して電気代の節約もできます。
○省エネ機能:温度をセンサーで感知して自動的に温度調整をしてくれる機能があれば、電気代を抑えることができて便利です。
○人感センサー:人がいる時にスイッチがONになり、いないと自動的にOFFになってくれると便利です。
○首振り機能:複数人で使用する場合に全員を暖めたり、一人で使用する場合でも体全体を暖めることが可能になります。
なお、シーズヒーターは、いろいろな製品名で呼ばれていますので、選ぶときには注意が必要です。例えば、「コアヒート」「メタルヒート」「セラムヒート」「ステンレスヒーター」などです。これらは、金属管をコーティングする素材の違いです。
[おすすめの機種]
☆コロナ(CORONA) 遠赤外線ヒーター コアヒート(ホワイト)/CH-1220R-W
・特徴:
◎コロナ独自のBC(ブラックセラミック)コーティングで遠赤外線をたっぷり放出
◎ヒーターが冷えている時は急速運転ですばやくあたたかい
◎コアヒートは明るく赤熱しないので熱エネルギーをむだにせず暖かい
◎ゆらぎ運転と省エネセンサーで電気代を節約
・サイズ(㎝):幅34.0×奥行30.0×高さ71.7(縦向きのとき)
・重量(㎏):5.6
・消費電力(W):1150~330(通常モード)/820~200(ゆらぎモード)
・ヒーター:遠赤塗装BC(ブラックセラミック)コーティングシーズヒーター
・温度調節:11段階(H+10段階)
・運転機能:省エネセンサー(人感センサー運転)/ゆらぎ運転(定期的にヒーターの電力をセーブして運転)/自動首振り(70度)手動首振り(60度)/切タイマー(0.5/1/2/3時間)
・安全装置:転倒OFFスイッチ(傾けたり倒したときに作動し運転を停止)/過熱防止装置(本体が過熱したときにはたらき、運転を停止)/6時間自動切タイマー(運転開始から6時間後に運転を自動停止)/チャイルドロック
・その他:
〇パワーモニター:5段階(運転状態を5段階3色のLEDランプで表示される)
〇輻射部向き:タテヨコ自在(集中的にあたためたいときや足元まであたためたいときはタテで、広い範囲を暖めたいときはヨコで使用するといいでしょう)
アマゾンでは次のようなレビューがありました。(2020年12月29日時点)
*寒い部屋で立ち仕事をしていた時に、コアヒートをつけてくれて、えーあったかい~と、自分も買いました。
*部屋の温度は13度でもこたつとこれがあれば、エアコンやガスストーブをつけなくても大丈夫でした。
*こういうタイプはみんな一緒だと思ってたけど、ちがいます。会社名がなんともせつないし、応援の意味もこめて、がんば!真冬になっても光熱費の節約になりそうです。
*すぐに暖まります。
*すごく軽いわけではありませんが、部屋移動するたびに持ち歩いてます。お気に入りです。
人体に最も吸収されやすい3~20ミクロンの遠赤外線をたっぷり放出するコロナ独自のBCコーティングにより、体の芯まで暖めます。
この暖かさを実感したら、誰でも欲しくなってしまうのでしょうね。
輻射部をタテヨコ自在に変えられ、上下の向きも変えられますので、一人でも複数人でも、また、一人で寝転がるときなど、いろいろな場面で便利に使うことができます。
安全装置もしっかりしていて、人感センサーやゆらぎ運転などで省エネも考慮されている、高性能の優れたシーズヒーターと言えるでしょう。
☆山善(YAMAZEN) 速暖カーボンヒーター&遠赤外線シーズヒーター搭載 ツインヒートプラス ホワイト DBC-J122(W)
・特徴:
◎速暖性に優れた「カーボン」と遠赤外線効果のある「シーズ」の2種類のヒーターを使用したハイブリッドタイプ
◎便利な三本菅仕様で季節ごとに使い分けができる
◎操作部はシンプルにダイヤルを回すだけ
・サイズ(㎝):幅33.0×奥行33.0×高さ68.7
・重量(㎏):4.1
・消費電力(W):1200/900/300
・電気代目安(1時間あたり):約8円(300W)、約24円(900W)、約32円(1200W)
・運転切替:3段階
・運転機能:自動首振り機能
・安全装置:安全転倒オフスイッチ、サーモスタット
アマゾンでは次のようなレビューがありました。(2020年12月29日時点)
*朝の出勤前の短い時間、床暖房やエアコンで部屋を暖めるより、こちらで暖める方が速いと思い購入しました。すぐに暖かくなります。
*ポカポカとした暖かさなので、遠赤外線だなと実感できました。
*軽くてコンパクトなのは良かったんですが、暖かさは当たっているところだけなので、エアコンのサブ暖房器具として台所や寝室、リビングなど持ち運びして利用してます。
*タイマー機能はついていませんが、遠赤外線のヒーターにするととても暖かいです。
*レビューを読み込んでから買ったのですが、本当にあたたかい!こんなにもか!と思いました。首振りにしても、本当に静かです。
*1200Wでつけていると3m離れていてもあたたかさがふわぁ~と届きます。部屋全体が暖まるまでは時間がかかりますが、放っておくといつの間にか部屋が暑くなります。乾燥しないし重宝しています。
タイマーはついていませんが、使い勝手がよく、すぐに暖かくなるし、シーズヒーターの遠赤外線のポカポカとした暖かさがとても良いと高評価でした。
部屋全体を暖めるという仕様にはなっていませんが、「リビングに置いて使用していてエアコンより暖かく感じる」というレビューもありました。
冬の季節にもかなり活躍しそうなハイブリッドタイプのヒーターですね。
☆コロナ(CORONA) シーズヒーター コアヒートスリム ホワイト DH-919R-W
・特徴:
◎遠赤外線を発するシーズヒーターに、高輻射ブラックセラミックコーティングを施し、人体に吸収されやすい3~20ミクロンの遠赤外線がたっぷり放出される
◎音が静かで、いやなニオイもせず空気がキレイ
◎ヒーターが冷めている時は、急速運転ですばやく暖かくする
◎部屋の温度を検知し、室温に合わせて、出力を下げる省エネ運転
◎どこでも使いやすいスリムタイプのコアヒート
・サイズ(㎝):幅30.6×奥行30.6×高さ89.7
・重量(㎏):3.7
・消費電力(W):900~340(通常モード)/690~115(ecoモード)
・ヒーター:遠赤塗装BC(ブラックセラミック)コーティングシーズヒーター
・運転機能:自動首振り(70度)手動首振り(60度)/ecoモード運転(温度センサーが部屋の温度を検知し、室温に応じた控えめ運転を自動でおこなう)/切タイマー(1/2/3時間)
・安全装置:転倒OFFスイッチ(傾けたり倒したときに作動し、運転を停止)/過熱防止装置(本体が過熱したとき、温度過昇防止器がはたらき運転を停止)/6時間自動切タイマー(運転開始してから6時間後に自動的に運転停止)/チャイルドロック
・その他:パワーモニター(運転状態を5段階3色のLEDランプで表示)
アマゾンでは次のようなレビューがありました。(2020年12月29日時点)
*スリム、スタイリッシュ、そして暖かい。これはいい買い物をしました。
*ヒーターが赤くならないので、あれ?と思いましたが遠赤外線の染み入る暖かさが良いです。
*スリムなのにとても暖かいです。エアコン暖房だけだと、どうしても暖かくないのですが、このヒーターがあると本当に暖かいです。
*ほんの10秒だけ身体の前と後ろをヒーターに向けるだけでポカポカになります。但し、2m以上離れたり、部屋全体を暖めたい方には不向きなので、置き場所を考えてから購入することをおススメします。
*運転eco1でも、夜間の暖がとれ、凍り付くような空気を防いで安眠の助けになる。
一人用やスペースの狭いところで活躍しそうですね。スリムで持ち運びも楽、それに、安全装置、タイマー、eco運転までできて、体を芯まで暖めてくれる有難いシーズヒーター(コアヒート)です。
☆ダイキン(DAIKIN) 遠赤外線ストーブ「セラムヒート」DAIKIN ERFT11VS-W
・特徴:
◎多様なインテリアに調和するシンプルでモダンなデザイン
◎3~20μmの遠赤外線を放射する輻射式の電気暖房機でからだの芯まで暖まる
◎人感センサーや温度センサーで、消し忘れや無駄な運転を抑制
◎速暖モードとリズムモードで暖かさと節電を両立
◎自動切タイマーで切り忘れ防止
・サイズ(㎝):幅34.2×奥行34.2×高さ65.2(縦置時)/幅56.0×奥行34.2×高さ50.2(横置時)
・重量(㎏):8.0
・消費電力(W):250~1100
・電気代の目安(1時間あたり):6.75円~29.7円
・ヒーター:セラミックコーティングシーズヒーター2本
・運転機能:
人感センサーモード(人の不在を検知すると電力を抑えた運転になり、15分間不在にすると自動で運転停止)/
リズムモード(暖房の出力に強弱のリズムをつけて運転)/
温度モード(室温が22℃に達すると電力を抑えて運転する)/
速暖モード(通常運転より約1.8倍の早さで周囲を暖める)/
切タイマー(0.5/1/2/4/6時間)
自動首振り(70度)
・安全装置:温度サーミスタ/二重過熱防止機能(温度ヒューズを天面と側面2か所に搭載)/チャイルドロック/6時間切タイマー(運転を開始すると6時間切タイマーが設定される)/転倒保護スイッチ(転倒などで本体が傾いた場合、運転を停止する)
・その他:縦置き横置き選択可能
アマゾンでは次のようなレビューがありました。(2020年12月29日時点)
*パワフルなのに優しい暖かさです。温度調整が細かく設定できるのがいい。
*離れていても全身を短時間で確実に暖めることができ、離れてもずっと体内に暖かさが残る。
*面積が大きいので体の広範囲にじんわりポカポカした暖かさが来ます。1mほどの距離なら300Wでも効果ありました。
*手足の強烈な冷えが痺れずに暖まり、離れてもすぐに冷えなかったです。
*電源を入れてから暖まる時間も短いし、首振りや人感センサー機能がついているのも良いです。さすがダイキン!といった感じです。
*コンパクトでハイセンス。ライトパネルは近未来的。3分位すると体の内側から暖かくなり、10分すると汗だくになりました。熱い鍋を食べた時に身体の内側から暖かくなる感覚と良く似ています。
安全装置もしっかりしていて、換気中でも風の影響を受けずに遠赤外線で体をしっかりと暖めてくれるセラムヒートは、勉強をするときにもテレワークで仕事をするときにも大活躍してくれます。
☆テクノス(TEKNOS) パワーモニター付 シーズヒーター 1200W ホワイト TSH-9200
・特徴:
◎遠くまで暖かいシーズヒーター
◎目に優しく体の芯から暖まる
◎衝撃や水に強く割れにくい
◎転倒OFFスイッチ搭載で安全
・サイズ(㎝):幅32.0×奥行32.0×高さ66.0
・重量(㎏):4.2
・消費電力(W):1200/960/720/480/240
・電気代目安:約32.4円/時(1200W時)
・運転機能:首振り運転/タイマー(0.5時間~7.5時間まで30分ずつ増加)
・安全装置:転倒OFFスイッチ/温度ヒューズ172℃/サーモスタット120℃/チャイルドロック
・その他:パワーモニター
アマゾンでは次のようなレビューがありました。(2020年12月29日時点)
*シーズヒーターは温まるのが遅いと聞いていましたが、カーボンヒーターより若干遅い程度であまり気になりませんでした。
*この商品の最低出力240Wのほうがカーボンヒーター300Wの時より効果範囲が広く、しかも暖かい感じです。
*首振りの駆動音もほぼありません。
*やや重く、取っ手が持ちにくい。
*台座が薄いプラスチックなので、ちょっと蹴ったりぶつけたりしたら簡単に割れそうです。
テクノスのパワーモニター付きシーズヒーターは、出力を5段階で調節でき、しかも運転中のワット数をパワーモニターで確認できる便利さもあります。
体の芯から暖まることができるので、5段階のパワーを上手に使って、無駄に電力を消費することのないよう省エネ対策をいたしましょう。
上記5機種を紹介しました。
いずれもシーズヒーターの特徴である、遠赤外線効果が高く、体の芯から暖まることができるヒーターです。
スポット的な使用がメインにはなりますが、耐久性もあり、安全性も十分に考慮されているシーズヒーターで、寒い季節も綺麗な空気の中で快適に過ごすことができるでしょう。