季節の移ろいを
色で、音で、
温度で、空気で感じる
温かい空気ほど
水蒸気を多く含むことができるから
同じ湿度(相対湿度)50%でも
温度が低ければ
水蒸気の量も
少ない
ときに、
湿度がたかくて
蒸し蒸しして
不快だ
ときに、
湿度がひくくて
カラッとして
爽快だ
水蒸気量は同じでも
温度によって
湿気の感じ方は
かわるのですね
ジメっとするより
カラッとするようが
いい
でも
あまり
カラッとしすぎると
火の用心
肌の用心
心配事も増えますね
そこで
加湿器の出番です
[加湿器のはじまり]
加湿器はいつ頃どこで開発されたのでしょうか?どのようなきっかけがあったのか興味ありませんか??
加湿のための機器は、米国ニューヨーク州で1926年に発明されました。昭和元年ですから、2020年の今年は加湿器誕生95年になるのですね。
加湿器がなかったときは、湿度を高める方法として、ヤカンに水を入れて火にかけてお湯を沸かして出る蒸気を利用していました。
1925年、ニューヨーク州北部在住の「カズマン」氏宅での出来事。「カズマン」氏の息子さんが風邪をひいてしまい、診察したところ、医者から、”部屋の中が乾燥しないように加湿して下さい”とすすめられました。「カズマン」氏は医者のすすめに従って水をいれたヤカンを火にかけていると、ヤカンが突然、爆発!
なぜ爆発したのかわかりません。被害は大きくなかったようですが、「カズマン」氏は、”安全な加湿方法が必要だ”と痛感して、翌1926年に世界で初めての電気加湿器を発明しました。この電気加湿器には、空焚きしても安心な安全装置が備えられていました。この加湿器が1927年にアメリカ医学協会で紹介されると高い評価を得ることとなりました。
この発明を機に、「カズマン」氏は会社「Kaz(カズ)」を作り、現在では世界最大の加湿器メーカーにまで成長しています。
日本で最初に加湿器が作られたのはいつなのでしょう?
産業が急激に発展し、工場に新しい環境が必要とされるようになっていた1960年(昭和35年)、産業用の加湿器の製造・販売の企業としてスタートしたのが「ピーエス工業」です。「ピーエス工業」は、湿度と温度と室内気候の専門企業です。
高度経済成長のころ、繊維や印刷などの工場では、機械から発する熱が空気を乾燥させ、静電気が発生してしまい、そのたびに機械を止めなければならなかったようです。そのような状況をクーラー用のヒータの取り付け工事をしていた「ピーエス工業」が加湿器の必要性を感じて、工事業者からメーカーになったということです。日本最初の加湿器は、工場で使用されるためだったのですね。
[加湿器の種類]
加湿器は、その仕組みで分けると、次の4種類になります。
・気化式
・スチーム式
・超音波式
・ハイブリッド式
◎気化式(ヒーターレスファン式)
気化式は、水を含ませたフィルターに風を送って水分を気化させ、それによって湿度を上げるようにしています。
他の方式に比べて消費電力が少なく電気代を抑えられるという特徴があります。
また、送風口に触れても、熱を利用していないため、火傷の心配がなく安全です。
一方で、吹き出し口から出る空気が冷たく部屋の温度を下げやすいというデメリットがあります。また、フィルターにカビが発生しやすいので、フィルターに抗菌コートを施してある製品もあります。
◎スチーム式
スチーム式は、内部のヒーターで水を加熱して水蒸気を出し、それによって湿度を上げるようにしています。水蒸気を送風機(ファン)で放出させているものはスチームファン式と言われます。
加湿の力は高く、加熱をしていることから雑菌も繁殖しにくいという特徴があります。
また、スチームが熱を持っていますので、室内の気温を下げることなく、冬場の加湿に向いています。
一方で、スチームの熱で火傷の心配もあり、また、電気代も高くなる傾向にあることがデメリットです。消費電力は200~300ワットであり、小型の電気ストーブほどあります。
◎超音波式
超音波式は、タンク内の水を振動によって霧状(ミスト)にして噴出させます。それによって湿度を上げるようにしています。
蒸気を早く出すことができ、火傷の心配もなく、電気代も低く抑えられるというメリットがあります。また、水に含まれるものを空中に放出するので、アロマエッセンスを入れておけば香りを楽しむこともできます。
一方で、雑菌が繁殖しやすいというデメリットがあります。レジオネラ菌などが原因で肺炎や熱性疾患が発生することもありますので、注意が必要です。
そのため、この機種を選択する場合は、除菌機能がついているタイプにすることが望ましく、さらに、貯水タンクの手入れは欠かさずに毎日行うほうがいいでしょう。
◎ハイブリッド式
ハイブリッド式は、上記の3つのタイプのいずれかを合わせたタイプです。気化式とスチーム式を合わせたタイプが多いようです。
気化式とスチーム式をあわせたタイプですと、水を吸い上げたフィルターにヒーターで熱した風を送るようになっています。そのため、気化式のデメリットである部屋の温度を下げやすいということもなく、スチーム式のデメリットである火傷の心配も解消できるようになっています。
一方で、それぞれの方式のメリットである、電気代の安さや加湿力の高さは抑えられてしまうことも覚えておきましょう。
また、超音波式とヒーターを組み合わせたタイプは、ヒータで温めた水を振動させて、霧状にして噴出させます。それによって、湿度を上げるようにしています。
超音波式とヒーターを組み合わせたタイプですと、超音波式のデメリットである雑菌の繁殖を抑えることができます。
一方で、超音波式よりも消費電力は高くなり電気代がかかってしまうことになります。
[加湿器を選ぶときのチェックポイント]
加湿器を選ぶときに、何に注目したらいいのでしょう?
□まず、加湿方式によって、消費電力に大きな差がでて電気代に影響を与えます。どのくらいの違いがあるかをチェックしましょう。
目安として、ヒーターを利用する、スチーム式やハイブリット式は電気代がかかる傾向にあります。
□加湿能力や加湿の速さをチェックしましょう。
スチーム式など電気代がかかってしまうタイプは一方で加湿の能力が高く、速く加湿してくれるというメリットもあります。
加湿能力は加湿量(mL/h)の数値が大きいほど高くなります。
加湿能力に適した部屋の広さ(適用床面積)が制定されているので、それを参考に部屋に適した加湿器を選ぶことができます。
定格加湿能力 (mL/h) | 適用床面積(木造和室)(畳) | 適用床面積(プレハブ洋室)(畳) |
300 | 5 | 8 |
400 | 7 | 11 |
500 | 8.5 | 14 |
600 | 10 | 17 |
700 | 12 | 19 |
800 | 13.5 | 22 |
900 | 15 | 25 |
1000 | 17 | 28 |
□衛生面のチェックしましょう。
超音波式は水を加熱していないため、雑菌が繁殖しやすいというデメリットがありました。そのため、超音波式では除菌機能がついているかどうかチェックしておきましょう。
□お手入れの手間をチェックしましょう。
フィルターにはカルキがついたりカビが生えてしまったりしますので、定期なお手入れや交換の必要があります。掃除のしやすさや汚れをしらせる機能などがあると嬉しいですね。
□サイズをチェックしましょう。
加湿器は、卓上用の小型のものから大きなものまで様々なものがあります。用途に応じて最適なタイプを選びましょう。
□付加機能をチェックしましょう。
基本的な加湿に加えて、空気清浄機能がついているとか、アロマ機能がついている、あるいは、適度な湿度を保ってくれる湿度調整機能や空焚きを防止してくれるタイマー機能なども便利な機能です。
必要な機能がついているかどうかをチェックするといいでしょう。
次のページで、加湿器の人気おすすめ機種を見ていきましょう。